ダズリングストレンジャーの開発 重さ100gか90gかどちらにするか

おかげさまで卓球メーカーとして3周年を迎えることができた。3周年記念ラケット、ダズリングストレンジャー(DAZZLING STRANGER CLS) も完成した。ダズリングストレンジャーはWINGSPANのカーブラインシリーズの中では新機軸で、まずラケット厚が薄い。そして高級銘木のチークやチェスナットという硬質な木材を使用していることも特徴だ。

ダズリングストレンジャーで最後まで決めきれなかったのは、ラケットの重量である。ラケット厚をほとんどを変えずに7枚合板100g±(仮にダズリングストレンジャー100gと呼ぶ)、5枚合板90g±(仮にダズリングストレンジャー90gと呼ぶ)のどちらかにするか、最後まで迷ったのだ。ダズリングストレンジャー100gは5枚合板に加えて、さらにかなり薄めのローズウッドを2枚加えることで、ピッタリ10gプラスになり、100gとなっている。ブレードの大きさは重さは問わず、ゴルダーズグリーンと同様になる。

あくまで、個人的な感想として、シェークのカットラケットは100g程の重さがちょうど良い。その考え方に基づいてダズリングストレンジャー100g、そしてダズリングストレンジャー90gの2つを最終候補として、2つの試打用ラケットを作成して、試打をしてみた。

どちらもバック側にはスポンジの薄い、表ソフトを使用して基礎練習、課題練習、ゲーム練習などをして確かめてみたが、シェークラケットで100gはそれほど重さを感じなかったが、ダズリングストレンジャー100gは、シェークの100g以上に重く感じ、最も気になった点はフォアバックの切り替えが素早く行えなかった。その点、ダズリングストレンジャー90gはフォアバックの切り替えも問題なく、他の技術も問題がなく、重い球の攻撃力、高い守備力など90gでも非常に良い結果となった。結局、2つのラケットでたびたび試打を行ったところ、最終的にダズリングストレンジャー90gをダズリングストレンジャー(DAZZLING STRANGER CLS)として製品にすることに決定した。後々ながら90gにして良かったと思っている。

ダズリングストレンジャーのもう一つの、新機軸は天然貝のインレイをグリップに埋め込んだこと。卓球ラケットで考えられる色々な技術にチャレンジしていきたい。チャレンジする楽しみはラケット開発者冥利に尽きます。