国内卓球メーカーのラケット性能表の指標文言について

卓球メーカーの最新年度のカタログを楽しみにしている人は、用具マニアの素質があると思う。

私は、広報物全般にも興味があるタイプなので、卓球メーカーのカタログは、まずは表紙の紙質や特殊な印刷がされているか、ページのボリューム、表紙のデザインや表紙に登場する選手、表紙裏からの巻頭の特集記事、新商品に割くページの大きさから、ラバーやラケット商品の写真やその加工まで、全て楽しめます。メーカーのカタログは当たり前のように無料で手に入りますが、広報予算の中でも、重点を置かれているものです。今の時代はインターネットでカタログにアクセスできますが、せっかくならば、卓球専門店で紙のカタログを入手する事がおすすめです。

ヴィクタスさんが「ブルーの色と丹羽選手だけじゃなくて、木原選手を押してきているな」とか、ニッタクさんは「最近の表紙は選手じゃないのか、石川選手、伊藤選手、早田選手で迷って決めきれないなら、佐藤選手・橋本選手の2人の表紙が見たい」とか、バタフライさんは「表紙はマットだな」とか、ヤサカさんは「表紙のマークVは歴史と伝統と安心感を感じるな」とか。表紙だけでもいろいろ勝手に考えて楽しめます。

今回は、そんなメーカーのカタログ好き視点は全く話に関係ありません。この、ヴィクタスさん、ニッタクさん、バタフライさん、ヤサカさん(カタカナ五十音順)のラケットの性能表について書きたい。特に各社の性能表の縦軸と横軸のある性能比較表の指標文言について記してみたい。

【ラケットの性能比較表】

■ヴィクタスさん

縦軸 反発力(2.0~10.0)

横軸 打球感(ソフト~ハード)

■ニッタクさん

縦軸 スピード(スロー~ファースト)

横軸 打球感(ソフト~ハード)

■バタフライさん

縦軸 反発特性(5~15)

横軸 振動特性(5~15)

■ヤサカさん

縦軸 スピート(スロー~ファースト)

横軸 打球感(ソフト~ハード)

ニッタクさんとヤサカさん縦軸も横軸も指標は同じで、打球感の文言もほぼ同じ。違いはミドルがニッタクさん、ミディアムがヤサカさんだった。横軸の打球感という指標はヴィクタスさんも同じだった。そして縦軸はヴィクタスさんが反発力で、バタフライさんが反発特性、意味的にはほぼ同じだ。唯一横軸指標の文言が違ったのがバタフライさん。振動特性。

以上である。

私が複数の弊社製品を作成しながらこの指標の文言も同時に何が適切かを考え続けていた。4社とも指標として言いたいことは同じ事はわかる。しかしやはり言葉の違いは与えるニュアンスは若干異なる。弊社としては指標の文言にこだわりたい。

考え抜いた挙句、弊社が現時点で使用したいと考える指標は、バタフライさんと同様に反発特性と振動特性が一番しっくり来る。理由は単純で反発特性も振動特性も、ラケットを主体としての指標であること。一方で他の指標、スピード指標はボール主体であり、打球感指標は人間の感覚主体である。

もちろん、中学一年生がカタログを見て分かりやすい指標文言か、どうか、という観点もあるだろう。

しかし私の中で、ラケットの指標文言は、反発特性と振動特性である。やはり指標は、ラケット主体とされた文言がふさわしいとを考えるからである。