ゴルダーズグリーンの開発と六角形ラケット

WINGSPANがミルラとブライターレイターをリリースした後、並行して開発に取り組んでいたのがゴルダーズグリーンだった。ゴルダーズグリーンは従来のブレードサイズを0から見直すことを考えていた。

ゴルダーズグリーンの弊社でのポジションは守備型である。近年トップレベルのバック粒高や攻撃を多用するカットマンなどが、アウターカーボンやインナーカーボンを使用する例が多くなってきている。推測されるに高反発ラケットによる攻撃力を維持したまま、カットや粒のブロックなどの受けについては技術の習得とラバーで補うという考え方だろう。弊社もそのような流れの中で、ゴルダーズグリーンは、守備型でもある程度の反発特性の高さを維持することにした。


さて問題はブレードの形である。ミルラやブライターレイターよりサイズを大きくすることはきまっていたが、形状については試行錯誤があった。開発当初の形は上の写真のような形状だった。弊社商品をカーブラインシリーズを名乗る前に作成していたため、グリップ近くのブレード形状が直線になっているところがほほえましい。このラケットは手元重心に来るように設計がされているところが特徴である。

その後、弊社にとって最も衝撃的なラケットが発売されることになる。それがスウェーデンのスター、モーレゴード選手が使用して一躍話題となった、あの六角形ラケットである。その話題のラケットを試打して思ったことは、従来のラケットとかなり異なると思った。どこが違うのかについての感想は割愛したい。ちなみにSNSでレヴューを見ると、飛ぶ、飛ばない、手元重心、先端重心など、意外にも少なからず意見が割れているところが興味深かった。

そんなことが、改めてブレードを見直すきっかけとなった。さらに試行錯誤の結果、以上のような形状に落ち着いた。基本的にミルラやブライターレイターと同形状を維持しながら、先端部分のブレードサイズを大きくしている。最初の開発段階のブレードと比較するとラケットのグリップ側のブレード面積は最小限に変更を行った。

一応WINGSPANではゴルダーズグリーンは守備型としているものの、他社製品と比べると、反発特性はかなり高い。理由は前述の通りである。そのためか、予想外に攻撃型の選手が使用することも多くなっている。攻撃型の選手もゴルダーズグリーンの性能には満足しているとの感想をいただいている。

WINGSPANでは、3周年記念の守備型ラケットを極限定数の販売をする予定である。こちらはすでに研究開発が終了した。これも創業前から研究していたラケットの一つである。そして3年前から一定の温度と湿度に保たれた部屋で乾燥し熟成させている高価な木材を使用している。WINGSPANのラケットでは最も反発特性および振動特性共に最も低い値の性能を有している。希少な木材と長期間の乾燥等の関係で極少数の限定発売であるが、おそらくとても凝った製品になると思う。販売に関する詳細が決まり次第お伝えしますので、どうぞご期待ください。